11ac対応のWi-FI親機は数千円で買えるものから2万円近いものまで幅広いラインアップがある。同じ11ac対応でも最大通信速度に差があり、搭載している機能も異なる。自分はいったいどれを買ったらよいのか迷う人は多いだろう。そこで、ここでは3種類の環境を例に、どのクラスの製品が適しているかを見ていこう(図1)。

◆子機の台数が少なければ低価格クラスでも十分
まず、ワンルームマンションに一人暮らしで、パソコン、スマホ、タブレットという3台の子機をつなぐ場合はどうだろうか(図1の①)。
六畳1室なので電波を遠くに飛ばす必要はない。接続する台数が少なく1人だけなので、同時に多数の通信が発生することはほとんどなく、親機の負担は軽い。また、すべての子機が無線で接続できるため、親機にギガビット対応の有線LAN端子は必要ない。
こうした使い方なら、「低価格クラス」で十分(図2)。アンテナ2本で最大866MbPsの製品でも4000円台で買える。ただし、このクラスの製品を選ぶときは、WAN側の有線LAN端子の速度をチェックしよう。前にも説明したように、WAN側のLAN端子が100Mbpsだと、高速なインターネット接続サービスを利用していても、メリットを生かせない。その点は割り切りが必要だ。

◆接続する子機が多いときは1733メガクラスで決まり
次に、3LDKに住む4人家族に最適な製品を考えてみよう(図1の②)。家族がそれぞれパソコンやスマホを使い、それ以外にもWi-Fiを使う機器があるため、子機は合計で20台と多い。
複数の子機が同時に通信する時間が長く、高画質(HD)動画ストリーミング視聴といった大量のデータ通信を伴う使い方もするため、親機には高い通信速度と処理性能が必要。4本のアンテナと高速CPUを搭抜した「1733メガクラス」の製品から選ぶのが安
心だ(図3)。
◆3階まで電波を飛ばすなら上位クラスの製品が断然有利
最後は、3階建てのコンクリート造りの住宅(図1の・)。親機を1階に設置すると、3階まで電波が届きにくい。どんな親機を選ぶのがよいだろうか。
親機が出す電波の出力は法律で上限が定められているため、製品による違いはない。電波の届きやすさは、アンテナと送受信装置の性能で決まる。そこで有利なのが、広範囲に.電波を届かせる装備を持った「1300メガクラス」と「1733メガクラス」の製品(図4)。最大速度が高いため電波が弱くなったときも実用的で、電波のに干渉を回避する機能を搭載した製品もある。アンテナが外付けのモデルなら、向きを変えて、電波が上下方向に強くなるよう調節することも可能だ。
家の構造などによって、親機の電波の飛び方はかなり異なる。各メーカーによると、コンクリート造りの建物の場合は、1階から3階まで電波が届かないことがあるという。通信が途切れたり遅くなったりする場合は、中継機を2階に設置するとよいという。専用の中継機を追加するほかに、同じ親機を2台用意して、1台を中継機として使う手もある。